パワハラ認定問題
経緯と現在地

30秒でわかる現在地

2024年11月、休職中だった町の財政協働課長が亡くなりました。弁護士3人による第三者調査委員会は2025年11月、 きっかけとなった町長の発言をパワーハラスメントと認定。町長は謝罪と減給(20%・3か月)ののち続投し、 2026年4月の町長選で3選しています(得票率30.79%)。 遺族は2026年2月に死亡との因果関係の再調査を要望しましたが、町は「予定していない」と回答。 現在は地方公務員災害補償基金による公務災害(労災)の審査が進行中で、その結果と、 結果を受けた町の対応が残された焦点です。 このページは議事録と報道にもとづき、経緯を時系列で記録するものです。

経緯(時系列)

2024年4月

発端となった面談

新庁舎建設の財政負担をめぐる町長らとの面談のあと、財政協働課長がうつ病を発症し休職。その後、県に公務災害(民間の労災にあたる制度)の認定を請求しました(報道より)。町長は後の議会で、この面談での自身の発言について「そんならおまえがせんか」「係も替えてやろう」の「二言が黒という認定を受けました」と述べています。

2024年11月

課長が死去

休職中だった財政協働課長(当時58歳)が死去。遺族は自殺だと主張しています(報道)。死去の約1週間後には問題を訴える手紙が届き、町長と課長らのやり取りを録音した約30分の音声が残されていたことが、のちの議会で明らかになりました。

2025年4月

区長会の要望書 → 第三者調査委員会の設置へ

区長会長名で、死亡の経緯の調査を求める要望書が町議会に提出されました(4月4日)。町の内部調査ではパワハラと認定されていませんでしたが(報道)、4月30日の臨時会で、佐賀県弁護士会の推薦による弁護士3人の第三者調査委員会を設置する方針が示されました。

2025年5〜6月

全職員アンケートと外部相談窓口

町は全職員向けのハラスメントアンケートを実施。6月11日には、弁護士に委託する外部相談・通報窓口と職員研修の予算が全員賛成で可決されました。

2025年9月

町長「結論を待って進退を判断」

町長は議会で「パワハラの一件がございます。今現在、第三者調査委員会で審議をしていただいている中であります」「結論を待って(中略)当然結論を出すべきもの」と答弁しました。

2025年11月

第三者委が「パワハラ」と認定 → 町長が謝罪・減給

第三者調査委員会の調査報告書が提出され、町長の発言(の一部)がパワーハラスメントと認定されました。ただし、死亡との因果関係は調査の対象外とされ、判断されていません(報道)。町長は11月28日の議会冒頭で「調査報告書の内容を重く受け止める」と謝罪。町長の給料を20%・3か月減額(副町長は10%)する条例が提案・審議されました(職員の最も重い懲戒処分〔10%・6か月〕や他市町の事例を参考にしたと説明)。

2025年12月

ハラスメント防止条例が全員賛成で可決

「吉野ヶ里町職員等のハラスメントの防止等に関する条例」が12月9日に全員賛成で可決。内部・第三者(弁護士)・ハラスメント対策委員会という複数の相談ルートが整備されました。一方、町長は12月2日の一般質問で「どなりたくってパワハラをやったというふうなことは、私は思っておりません」とも述べ、続投の意向を表明しました。

2026年2月27日

遺族が町長に要望書 ― 因果関係の再調査を求める

第三者委員会が死亡との因果関係を判断していないことを受け、遺族(妻ら)は、医師や精神科医など専門家を含む中立的な第三者によって因果関係を再調査することなどを求める要望書を、伊東町長に直接手渡しました。町長が遺族と対面するのは死後初めてで、「重く受け止めている」とコメントしました(報道)。

2026年3月16日

町「再調査は予定していない」と遺族に回答

町は遺族に対し、3月16日付で「第三者委員会の設置を含め町による調査は予定していない」と回答しました。理由として、公務災害の認定を行う地方公務員災害補償基金が審査を進めており「医学的・法的に高度な専門性が求められ、基金の判断を尊重することが適切」とし、「基金の審査結果が示され次第、然るべき対応を速やかに行う」としています(報道)。因果関係の解明は、事実上、基金の公務災害審査に委ねられた形です。

2026年4月12日

町長選挙 ― 対応が争点に

パワハラと認定された発言への対応が争点となった町長選で、伊東健吾氏が2,321票(得票率30.79%)で3選。新人3人がそれぞれ約19〜25%を得票し、批判票が7割近くに上りました(投票率59.48%)。

2026年6月

議会で再発防止を確認

6月定例会では多良弘典議員がハラスメント防止の取り組みを質問し、町長は再発防止を誓う答弁をしています。

まだ結論が出ていないこと

  • 公務災害(労災)の認定 ― 地方公務員災害補償基金が審査中です(2026年3月時点・町の回答より)。審査結果は2026年8月時点で公表が確認できておらず、判断待ちの状態です。
  • 基金の審査結果が出たあとの町の対応 ― 町は「基金の審査結果が示され次第、然るべき対応を速やかに行う」と回答しており、結果とその後の対応が焦点になります。遺族が求めた因果関係の再調査自体は、町が「予定していない」と回答したため実施されていません。
  • 新しい条例にもとづくハラスメント対策委員会・外部相談窓口の運用が実効性を持つか(外部窓口は2025年度に弁護士委託で設置済み)。
  • 町長は「この処分で解決したというふうには考えておりません」と答弁しており(2025年11月28日)、今後の対応が続きます。

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