吉野ヶ里町議会まるわかり!めくって見る

パワハラ認定問題
経緯と現在地

30秒でわかる現在地(2026年10月23日時点)

2024年11月、町の財政協働課長が亡くなりました。発端は同じ年の4月、新庁舎建設の財政負担をめぐる町長との面談です。 弁護士による第三者調査委員会は2025年9月に町長の発言をパワーハラスメントと認定し、 2026年9月29日には地方公務員災害補償基金が、その発言と死亡との因果関係を認めて公務災害と認定しました。 町は「重く受け止めている」とおわびし、町長は「結果に従う」としつつ、辞任は考えていないと述べています。 町の今後の具体的な対応と、遺族との話し合いの行方は、まだ公表されていません。

何が認められたのか ― 2つの公的な判断

第三者調査委員会(町が設置・弁護士3人)
2025年9月16日 報告書

2024年4月10日の面談での町長の発言(1件)をパワーハラスメントと認定。町の内部調査は「いささか拙速にすぎる」と指摘。

死亡との因果関係は、調査の対象外でした。

地方公務員災害補償基金 佐賀県支部
2026年9月29日付 認定

課長の死亡を公務災害と認定。町長の発言により精神疾患を発症し、自殺に至った因果関係を認めました。

遺族には基金から遺族補償年金などが支払われます(町が直接払うものではありません)。町長や町の法的な責任(過失)を直接決めるものではありません。

経緯

見出しを読めば流れがわかるようにしています。詳しい内容と出典は、各項目をタップすると開きます。

2024年発端 ― 面談、休職、そして死去
2024年4月新庁舎の財政負担をめぐる面談のあと、課長が休職課長は町長の発言でうつ病になったとして、4月24日に公務災害の認定を請求しました。

新庁舎建設の財政負担をめぐる町長らとの面談(4月10日)のあと、財政協働課長は同日に医療機関を受診し、のちに休職。4月24日には、町長のパワハラでうつ病になったとして、公務災害(民間の労災にあたる制度)の認定を請求しました(報道より)。町長は後の議会で、この面談での自身の発言「そんならおまえがせんか」「係も替えてやろう」について、「その二言が、やっぱり今回、黒という認定を受けました」と述べています。

2024年11月休職中の課長が死去遺族は自殺だと主張。町長らとのやり取りを録音した約30分の音声が残されていました。

休職中だった財政協働課長(当時58歳)が死去しました。遺族は自殺だと主張しています(報道)。死去の約1週間後には問題を訴える手紙が届き、町長と課長らのやり取りを録音した約30分の音声が残されていたことが、のちの議会で明らかになりました。

2025年調査と処分 ― 第三者委員会が「パワハラ」と認定
2025年4月区長会の要望書を受け、第三者調査委員会の設置へ町の内部調査ではパワハラと認定されていませんでした。

区長会長名で、死亡の経緯の調査を求める要望書が町議会に提出されました(4月4日)。町の内部調査ではパワハラと認定されていませんでしたが(報道)、4月30日の臨時会で、佐賀県弁護士会の推薦による弁護士3人の第三者調査委員会を設置する方針が示されました。5〜6月には全職員向けのハラスメントアンケートが行われ、弁護士に委託する外部相談・通報窓口と職員研修の予算が全員賛成で可決されています(6月11日)。

2025年9月16日第三者委が報告書を提出 ― 町長の発言1件をパワハラと認定町の内部調査も「拙速」と指摘。死亡との因果関係は調査の対象外でした。

弁護士3人の第三者調査委員会が調査報告書を町に提出。2024年4月10日の面談での町長の発言(1件)をパワーハラスメントと認定し、町の内部調査についても「いささか拙速にすぎる」「適正さを欠いていた」と指摘しました。ただし、死亡との因果関係は委嘱事項の対象外とされ、判断されていません。町長は報告書の前の議会(9月8日)で「結論を待って(中略)当然結論を出すべきもの」と答弁しており、9月18日の会見で給料の減額と条例制定の方針を示しました(報道)。

2025年11月28日町長が議会で謝罪、減給の条例 / 遺族が公務災害を再申請町長の給料は20%・3か月の減額。同じ日、遺族は基金に改めて認定を求めました。

町長は議会冒頭で「第三者調査委員会の調査報告書の内容を重く受け止めますとともに」と述べ、「深くおわび申し上げます」と謝罪。町長の給料を20%・3か月減額(副町長は10%)する条例が提案・審議されました(職員の最も重い懲戒処分〔10%・6か月〕や他市町の事例を参考にしたと説明)。同じ日、遺族は地方公務員災害補償基金の佐賀県支部に、公務災害の認定を求める書類を改めて提出しました。本人が生前に請求していましたが、結果が出ていなかったためです(報道)。

2025年12月ハラスメント防止条例が全員賛成で可決 / 町長は続投を表明内部・弁護士・対策委員会の3つの相談ルートを整備しました。

「吉野ヶ里町職員等のハラスメントの防止等に関する条例」が12月9日に全員賛成で可決され、内部・第三者(弁護士)・ハラスメント対策委員会という複数の相談ルートが整備されました。一方、町長は12月2日の一般質問で「どなりたくってパワハラをやったというふうなことは、私は思っておりません」とも述べ、続投の意向を表明しました。

2026年前半遺族の要望と町長選
2026年2月27日〜3月16日遺族が因果関係の再調査を求める → 町は「調査は予定していない」町は、公務災害を審査している基金の判断を尊重するとしました。

第三者委員会が死亡との因果関係を判断していないことを受け、遺族(妻ら)は2月27日、医師や精神科医など専門家を含む中立的な第三者による再調査などを求める要望書を、伊東町長に直接手渡しました。町長が遺族と対面するのは死後初めてでした。町は3月16日付で「第三者委員会の設置を含め町による調査は予定していない」と回答。基金の審査には「医学的・法的に高度な専門性が求められ、基金の判断を尊重することが適切」とし、「基金の審査結果が示され次第、然るべき対応を速やかに行う」としました(報道)。

2026年4月12日町長選挙 ― 伊東氏が3選対応が争点となるなか、得票率30.79%で3選しました。

パワハラと認定された発言への対応が争点となった町長選で、伊東健吾氏が2,321票(得票率30.79%)で3選しました。新人3人がそれぞれ約19〜25%を得票しています(投票率59.48%)。

2026年6月4日議場で町長が遺族に謝罪多良弘典議員の質問に答え、研修・相談体制の充実による職場づくりを約束しました。

6月定例会で多良弘典議員が「職場環境及びハラスメント防止」を質問。信頼回復に向けた考えを問われた町長は「一昨年、職員が亡くなられ、今も御家族に多大なる御心痛をかけておりますことに心よりおわびを申し上げたい」と謝罪し、防止条例や指針にもとづく研修・相談体制の充実で、職員が互いに信頼し、人権を尊重し、能力を発揮できる職場環境づくりを進めると答弁しました。

2026年秋公務災害の認定 ― 死亡との因果関係を公的機関が認める
2026年9月29日基金が公務災害と認定町長の発言によって精神疾患を発症し、自殺に至った因果関係が認められました。

地方公務員災害補償基金佐賀県支部が、課長の死亡を公務災害と認定しました(9月29日付)。報道によると、町長の発言を「自らの意に反論する男性に対して報復的に言い渡された」「業務上、必要かつ相当な範囲を超えたもの」「明らかに業務の目的を逸脱した言動」と評価し、パワハラによって精神疾患を発症し、自殺に至った因果関係を認めました。第三者委員会が対象外とした「死亡との因果関係」について、公的機関が初めて判断を示した形です。本人の申請から約2年5か月、遺族の追加申請から約10か月での認定でした。

2026年10月1日副町長が通知書を届けおわび ― 町長「結果に従う」、辞任は否定町は減額していた給与を満額で支払うとしています。遺族への対応について町長は「時間がほしい」。

10月1日朝、副町長が課長の妻の自宅を訪ね、公務災害の認定通知書を手渡して頭を下げました(町が申請の窓口だったため)。通知書には62ページに及ぶ調査内容と理由の説明が添えられており、妻は「きっちり読み込み、受け止めてから今後どうするかを考えたい」と話しています。町は「結果を重く受け止めている。亡くなられた職員と遺族におわび申し上げる」とのコメントを出し、休職中に減額していた給与を満額となるよう遺族に支払うとしています。伊東町長は取材に「結果が出たのでそれに従う」と述べ、改めて第三者委員会を設けることはないとの考えを示しました。遺族への対応は「時間がほしい」と述べるにとどめ、辞任は考えていないとしています(報道)。

いま見守りたいこと

町の「然るべき対応」の中身

町は3月の回答で「基金の審査結果が示され次第、然るべき対応を速やかに行う」としていました。これまでに報じられているのは、副町長による通知書の手渡しとおわび、町のコメント、給与の満額支払いです。町長本人がどう向き合うのかは、10月23日時点でまだ示されていません。

遺族との話し合いと、町議会の役割

遺族は62ページの理由説明を読み込んだうえで今後を考えるとしています。損害賠償を求めるかどうかは報道されていません。全国の先例では、公務災害の認定後に自治体と遺族が協議して和解する例が多く、その場合、和解の内容と金額は町議会の議決が必要です(地方自治法96条。町長が単独で決められるのは1件50万円以下)。

再発防止が形だけにならないか

条例・外部相談窓口・研修は整いました。一方で第三者委員会は報告書で、研修の出席率が5割程度、アンケートの回答率が6割程度にとどまっていることなどを挙げ、「形式的な対応にとどまってしまっている」と指摘していました。町は10月1日、求職者等へのハラスメント防止方針とカスタマーハラスメント対応方針も公表しています。

次に動くのはいつ?

10月31日(土)10:00〜12:00

第10回 議会報告会・意見交換会(中央公民館 講堂)。議会としての受け止めを、議員に直接たずねられる場です。 詳しく →

12月(日程は発表され次第)

12月定例会。認定後はじめての定例会です。 詳しく →

もっと調べる

みんなで見守る・話す

情報・意見をお寄せください

公務災害の認定を受けた町の対応や再発防止の取り組みなど、この問題の「その後」の情報・ご意見をお寄せください。 ※亡くなられた方とご遺族への配慮をお願いします。個人への誹謗中傷にあたる書き込みは掲載を見合わせることがあります。

みんなのコメント0件

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ!